なぜ腰とお尻が同時に痛むのか?
腰と臀部(お尻)の動きは共存関係にあるため、どちらかの構造に不具合が起こるともう一方にも影響を及ぼします。もし、慢性的な腰痛を持っている場合、臀部周囲の筋肉などは硬くなりやすく、股関節に痛みや不快感を引き起こします。また股関節の機能が低下している場合は腰部で代償作用が起こり、痛みなどを引き起こす結果となります。
腰部と臀部はいくつかの筋肉を互いに共有しているため、一つの筋肉に影響が起こるとその他の筋肉に代償作用が起こりやすくなることも一つの原因といえます。
今回のブログでは腰部と臀部の関係性がもたらす症状などについてご説明いたします。
片側に起こる腰部とお尻の鋭い痛み
梨状筋症候群
片側だけに起こる腰部と臀部の鋭い痛みは、筋肉の痙攣や関節の機能不全、神経の圧迫などが考えられ、それは以下のような状態で起こります。
・梨状筋症候群:臀部の深い位置にある梨状筋が機能低下を起こすことで腰部や臀部に痛みが起こったり、関連痛に伴う太もも裏側の痛み、長時間座れないといった症状が現れます。
基本的に症状は片側だけに起こり、ベッドから起き上がる時のような股関節を動かすことで起こります。梨状筋症候群が起こる原因としては主に長時間固い椅子に座ることや、臀部や股関節などの怪我によるものです。『梨状筋症候群についてはコチラ』
仙腸関節の機能障害
仙腸関節と呼ばれる骨盤にある関節が炎症を起こすことで、腰部や臀部に鋭い痛みを感じます。また場合によって太ももの裏側まで痛みが出ることもありますが、膝より下側には出ないのが特徴です。
仙腸関節の痛みは関節自体を動かした時に痛みが出ることが多いため、立位から座位になる時や、階段を登る時などに感じます。
仙腸関節の機能障害は関節に対して過剰な負荷や反復運動が行われることで起こります。また、妊娠中にホルモンの影響で痛みが起こりやすい場所でもあります。基本的には片側に出ることが多いですが、両側に出ることもあります。『仙腸関節機能障害についてはコチラ』
腰部とお尻の硬さ
腰部や臀部の硬さは痛みと共に起こることが多く、多くの場合身体の防御反応により硬くなっていることが多く見られます。痛みと共に起こる硬さは腰や臀部の機能を低下させ、慢性痛の要因となります。その中でも以下が主要な要因となります。
短縮したハムストリングス
怪我などによりハムストリングスに硬さが起こると、背骨の正しい運動に影響を及ぼし、その結果として腰痛や臀部痛を引き起こしやすくなります。
特に体幹部を前屈させた時に感じやすくなるため、日常的に前屈することを避けるようになり、腰部や股関節のさらなる機能低下に繋がっていきます。
変形性股関節症
加齢などが原因により、股関節自体の可動制限が出ると腰部の痛みや硬さに繋がっていきます。変形性股関節症は股関節の可動性を悪化させるため、腰椎の可動性まで減少させ結果的に腰椎の後弯を助長します。本来前弯している腰椎が後弯することで、要地への負担が強くなり、腰椎椎間板ヘルニアなどの原因となります。
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