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ストレートネックについて

ストレートネックについて

 

 現代の生活では多くの方が仕事でのデスクワークやスマートフォンなどにより、首を前方に曲げた状態でいることが多くその影響で首の負担が強くなり、いわゆるストレートネックと言われる状態になりやすいです。症状は肩や首の凝りに始まり、痛みや時には痺れをを感じることもあります。

頭の重さによる影響とは

 

 首の筋肉や腱、靭帯は約5kgある頭の重さを頸椎と共にに支える役割があります。しかし約45〜60°首を前に傾けて使用するスマートフォンなどでは約4倍以上の負荷が首にかかると言われ、それだけの重さを長時間支えるだけの構造になっていない首は、痛みなどを感じるようになります。

 

ストレートネックの始まり

 

 最初は首や背中に軽い痛みを感じる程度から始まります。その時点でストレートネック改善のためにスマートフォンの使用時間を制限したり、姿勢を正しくすることを意識するようにすれば改善する可能性が高くなります。もしその状態を放っておくとより首が前方に傾き、背中の猫背が強くなることで、首や背中の症状が強くなっていきます。また、首が前方にあることは頸椎にとっても良くなく、頚椎椎間板変性などの原因にもなっていきます。

スマートフォン使用による首への危険性

 

 ストレートネックにはスマートフォンの使用が危険であると言われている理由は以下のような理由です。

 

・画面を見る時に首の角度:パソコンやテレビを見るときよりもスマートフォンを見る時の方が、首の角度は強くなる傾向があります。それに伴って頭も前方に移動しやすいためより首への負担が強くなります。

 

・ターチスクリーンによる首、背中の負担:タッチスクリーンを使う場合、パソコンやテレビと比べ肩や首が前方にいくため、首への負担が強くなりやすいです。

 

 本を読んだり、皿洗いなどでも同様な姿勢になりやすいですが、大きく違うのはその姿勢でいる時間がスマートフォンの方がより長くいることが多く、それだけ首への負担は強くなります。

ストレートネックによる症状

 

 ストレートネックは正式な病名ではありませんが、首の痛みや痺れの原因としてよく言われています。そんなストレートネックの症状は以下のように言われています。

 

・首、肩、背中の痛み:この痛みは限局的で強い痛み、広範囲に弱い痛みの2種類があります。

 

・頭が前方に位置し、肩が丸まっている:首が前方にいくことで首、胸、背中の筋肉がバランスを崩しやすくなります。筋肉のバランスが崩れることで頭を正しい位置に維持することが難しくなります。

 

・可動性の減少:首、肩、背中の筋肉のコリ可動性の減少がみられます。

 

・頭痛:首の付け根にある後頭化筋群が緊張し痛みを出すと、頭痛の症状が出ることもあります。『頭痛の原因と対処法はコチラ

 

・首を屈曲させると痛みが出る:ストレートネックの場合、前方に首を曲げた時に痛みが強くなるケースが多いです。

 

 痛みの場所や痛み方は人によって様々です。例えば、両手を使いスマートフォンを操作する癖がある人は両側均等に症状を感じやすく、片手で操作する人は操作側に症状が強く出る傾向があります。

ストレートネックの予防法

 

 日常生活の中でできるストレートネックの予防法は以下のものになります。

 

・スマートフォンの位置を上げる:目安としては目の高さぐらいまで上げることで、首が前に傾くことを防ぐことができます。

・休憩を頻繁に取るようにする:デスクワークでの姿勢などが続かないようにできれば1時間に1度は休息を取るようにしましょう。時間を忘れてしまうという人であれば、タイマーなどを使うのがおすすめです。

正しい姿勢を意識する:顎を引き、骨盤を垂直に立てるなど姿勢を意識することはストレートネックの予防に重要となります。

 

 一般的には身体や首を定期的に動し、前傾姿勢でスマートフォンなどを長時間見ることを避けることがストレートネック対策として重要となります。

ストレートネックによる筋バランスの乱れ

 

 首が前方に移動するストレートネックでは次の筋肉がバランスを崩し痛みを引き起こします。

 

・首の前面にある椎前筋群の筋力は弱化し、後面にある後頭下筋群は過緊張を起こします。

・背中の中下部僧帽筋の筋力は弱化し、前面にある小・大胸筋は過緊張を起こします。

 

 頭の位置が前方に変位することで上記の筋肉にアンバランスが生まれることを「上位交差症候群」と呼び、ストレートネックになっている方のほとんどがこの状態に当てはまります。基本的には弱化を起こしている筋肉は筋力トレーニングを行い、過緊張を起こしているものにはストレッチが有効とされています。『上位交差症候群についてはコチラ』 

ストレートネックに対するカイロプラクティックケア

 

 ストレートネックでは不良姿勢が原因となっていることがほとんどなので、検査にて姿勢の分析を行うことから始めます。頭が首の上にしっかり乗る姿勢を作ることができれば、周囲の過剰に緊張を強いられている筋肉や靭帯などは自然と緩みやすくなるので、その状態を無理なく作れるように調整(アジャストメント)を行っていきます。調整をすることで、首の位置をより正しい位置に維持することが容易になるため施術後は首のコリや痛みが和らぎやすくなります。しかし、また同じように首を傾ける姿勢を長時間行ってしまうと以前の状態に戻ってしまうため、必要なトレーニングやストレッチの方法をお伝えし自宅でできるだけ行っていただくようにします。

 

 来院回数はその方状態や生活習慣に大きく依存していますが、適切な施術と自身でのストレッチなどを続けていけば改善に向かう方がほとんどです。もし、ストレートネックの影響で首や肩に辛さを感じているようでしたら、一度ご相談ください。