ストレスと胃の関係

ストレスと胃の関係

 

 ストレスを多く抱えている人は、胃の不調を感じやすいとよく言われますが、その理由をご存知でしょうか?そこで今回は胃の構造や機能とともに、なぜストレスは胃の不調に影響するのかをご説明したいと思います。

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胃について

 

 胃はアルファベットのJの形をした袋状の臓器で、食事をした後は最大で1.5Lの大きさまで広がります。胃の入り口部分を噴門と呼び、十二指腸と繋がる出口を幽門と呼びます

 

 胃に入った食べ物は蠕動運動と呼ばれる動きによって胃液と混ざり、流動性の糜粥となって十二指腸に送られます。

胃の主な働き

 

 胃の主な働きは以下のようなものになります。

 

・食べ物を受け入れる:普段胃内圧は腹腔圧と同じですが、胃に食べ物がある時は反射的に弛緩し、胃の内容積を増やします。

 

・蠕動運動:蠕動運動とは胃の中に食べ物がある時に、胃を動かし消化を助ける運動です。一般的には胃の中に食べ物がたくさんあるほど胃壁が伸ばされ、蠕動運動は強くなります。

 

・内容物の排出:蠕動運動により糜粥となった食べ物は、幽門部の内圧を上げることで十二指腸に送られます。

 

・胃運動の調節:胃は伸展すると収縮するという平滑筋の性質と、胃壁に存在する神経によって支配されます。また、外因性的に自律神経やホルモンによる調整が関与することによって、より適切に調整されます。

胃液分泌について

 

 胃粘膜から分泌される胃液には以下のようなものがあります。

 

・粘液細胞(ムチン):ムチンは胃の内面を覆い、胃粘膜が塩酸によって障害されるのを防ぎます。

・主細胞(ペプシノゲン):ペプシノゲンは塩酸の作用によってペプシンとなり、タンパク質をペプチドに分解します。

・壁細胞(塩酸):ペプシノゲンをペプシンにするだけではなく、胃内容物の殺菌や消毒作用、十二指腸におけるホルモンの分泌を促進します。

・内分泌細胞:ガストリンと呼ばれるホルモンを分泌し、塩酸の分泌を促します。

胃液分泌の調整について

 

 胃液の分泌を調整しているものは、自律神経とホルモンの働きです。交感神経は胃粘膜血流量を減少させて、胃液の分泌を抑える働きがあり、反対に副交感神経は胃液の分泌を促します。ホルモンでは幽門線から分泌されるガストリンが胃液分泌を促進し、十二指腸から分泌されるセクレチンや胃抑制ペプチドが胃液分泌を抑制しています。

ストレスによる胃痛

 

 ストレスは自律神経の乱れを引き起こします。その結果、交感神経が優位になり過ぎてしまうと、胃の働きが鈍くなり、消化能力の低下や胃もたれを引き起こします。反対に副交感神経が優位に働き過ぎてしまうと、胃酸の分泌が過剰になり過ぎるため胃を荒らしてしまうのです。