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脊柱解剖学と腰痛の関係

脊柱解剖学の概要

 

 脊柱は強固な骨、柔軟性に富んだ靭帯や腱、沢山の筋肉と高性能の神経系の驚くべきバランスによって構成されています。その素晴らしいバランスによって、とても敏感な神経根は守られ、同時に全ての方向への柔軟性も併せ持っています。私たちは皆、この「柔剛一体」の性質を併せ持つ脊柱の恩恵を日々の生活の中で常に受けています。そして、この「柔軟剛一体」が何らかの理由で崩れたときに腰痛が起こります。そして一旦腰痛になると、その原因を知りたいと思うようになり、「どうやったら良くなるのか」「どうしたら予防出来るのか」と考えるようになります。

腰痛を引き起こす主な原因

 

 脊柱の複雑な構造が多くの場合痛みを引き起こす原因となります。そして結果として首や背中の激しい痛みに始まり、四肢や全身に関連痛を引き起こしていきます。

 例えば以下のようなものが原因となります。

 

・腕や足にに繋がる大きな神経が炎症を起こしたり、圧迫されたりする。

 ・脊柱に対して刺激を与える細い神経が、炎症や退行性変化によって悪影響を受ける。

 ・使い過ぎや外傷などにより、脊柱起立筋が緊張した状態になる。

 ・骨、靭帯、腱や関節の怪我によるもの

 ・背骨を繋ぐ関節の退行性変化によって痛みを引き起こす。

 

 脊柱解剖学を理解していることは、脊柱に関連した不調を抱えている人の身体の状態、治療法の評価を適切に行うために重要な要素となります。

頚椎について

 

 首は頭を支えると同時に、首から全身に繋がる神経を守る役割があります。頚椎は7つの骨から構成され、下にいくほど大きくなっていきます。

 

(頚椎の解剖学)

 

ほとんどの首の痛みは、筋肉、靭帯、腱の捻挫や挫傷によって起こり、アイスやホットパック、カイロプラクティック のような徒手療法で回復するケースがほとんどです。

 

 

(頚椎を痛める原因と治療法)

 

もし首の痛みが2週間から3ヶ月以上続き、腕に痺れや痛みを感じるようで有れば、多くの場合頚椎に何か問題がある子とが考えられます。

 

例えば、腕から指先にかけて放散痛がある場合は頚椎椎間板ヘルニアや頚椎性の脊柱管狭窄による可能性も考えられます。

 

(手の痛みとしびれの原因について)

胸椎について

 胸椎は12個の椎骨によって構成されています。それぞれの分節での肋骨との強力な繋がりによって背中上部の動きを制限し、安定性を作ります。胸椎と肋骨は合わせて胸郭とも呼ばれ、その強固な構造によって、内臓器の保護を可能としています。

 

 

(胸椎の解剖学と背中上部の痛み)

 

背中の上部は解剖学的にはあまり動けるようには作られていません。なので首や腰に比べると痛めづらい場所であります。しかしながら、この箇所の痛みや関節の動きの低下は、腰痛や肩凝りなどを引き起こす原因となります。稀ではありますが、胸椎ヘルニアも起こることがあります。

 

(背骨上部の痛みの原因)

腰椎について

 

 腰椎は胸椎に比べより多くの関節可動性を持っています。また、上半身の重さを一番支えている場所なので、怪我も起こしやすい部位になります。

 

(腰椎の解剖学と痛みの原因)

 

腰椎は五つあり、それぞれの場所に特徴があります。

腰椎で特に可動性があるのは、腰椎3番〜4番間と4番〜5番間になるため、このセグメントは変形性関節症や椎間板の退行性変化を引き起こしやすいです。腰椎4番〜5番間と5番〜仙骨間は特に荷重が掛かるため、痛めやすく、腰椎椎間板ヘルニアにもなりやすい箇所です。腰椎椎間板ヘルニアは下肢に痛みや放散痛を引き起こす原因ともなります(坐骨神経痛)

 

(腰痛の症状と評価、治療の仕方)

 

大半の腰部の痛みは筋肉を痛めることで起こります。筋肉を痛めると聞くとあまり大したことないように聞こえるが、それが繰り返されると深刻なな腰痛に繋がることもあります。ただし、筋肉に対して適切なケアを行い、血流を回復させると、血液に乗って身体は回復傾向に向かいます。

仙骨・尾骨について

 

 腰椎の下には仙骨と呼ばれる三角形の形をした骨があり、骨盤の後方を形成し下肢と対幹部を繋げる役割をしています。

 

(仙骨について)

 

仙骨は仙腸関節によって両側の仙骨と連結し、骨盤を形成しています。この仙腸関節は痛めやすく、特に男性よりも女性の方が多いと言われています。

 尾骨は仙骨の下にあり、出産後やスポーツなどで転倒後に痛めるケースが多いです。尾骨痛は男性よりも女性の方が多いと言われています。