梨状筋症候群と坐骨神経痛
坐骨神経の走行に強い痛みや痺れを感じた場合、代表的なものとして坐骨神経痛と梨状筋症候群があります。そして多くの人がこの二つの症状を似たものとして考えていますが、原因や症状の感じ方、施術方法は異なるため別のものとして捉えることが必要となります。
そこで今回のブログではその違いについてご説明したいと思います。
それぞれの原因
坐骨神経痛と梨状筋症候群の主な症状は腰痛や臀部痛、足の痛みなど共通する部分がありますが、根本的な原因には次のような違いがあります。
・梨状筋症候群:梨状筋症候群は臀部にある梨状筋という筋肉が緊張し硬くなることで、梨状筋の下を通過する坐骨神経が圧迫することで症状が起こります。主な症状は臀部や股関節、足に感じる痛みや痺れになります。『梨状筋症候群についてはコチラ』
・坐骨神経痛:坐骨神経痛と呼ばれるものにはいくつかあり、主なものとしては腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、腰椎下部の神経根が圧迫や障害を受けることで症状が起こります。『坐骨神経痛についてはコチラ』
梨状筋症候群は梨状筋の解剖学的変化や外傷、長時間座った姿勢が続くことで起こります。坐骨神経痛はヘルニアや狭窄症、分離・すべり症による腰椎神経根の圧迫が原因となります。
症状による原因の鑑別
梨状筋症候群と坐骨神経痛では症状の特徴が似たものが多いため、間違えやすいですがそれぞれ以下のような特徴があるので、それを元に症状の判断をすることも一つの手になります。
症状の場所
梨状筋症候群では腰痛よりも、臀部や股関節に痛みを感じることが多いです。坐骨神経痛では腰痛を伴うことと、痛みが足先まで出ることが多いため、足が重だるく感じる人がいます。
動作による影響
梨状筋症候群では長時間の座り姿勢や、股関節の動きに伴って痛みが出やすくなります。坐骨神経痛ではSLR テストと呼ばれる仰向きで行うテストを行うと症状が誘発されることが多いです。
最後に
上記で説明したように梨状筋症候群と坐骨神経痛では症状が似ていたとしても、原因が異なるため正確な鑑別が必要となります。お悩みの方は自己判断せずに一度専門家を尋ねることをお勧めします。
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