首の痛みについて
頚椎(首)は神経系、骨、関節、筋肉の複雑な構造によって構成され、頭を支えるために重要な役割をになっています。そのため外的・内的の影響を受けやすく、首の痛みやこりで悩む方も多くいます。痛みを引き起こす理由は数多く存在します。頚椎の神経が影響受けた影響による頭、首、肩や手の痛み、また頸髄が影響を受けると足の痺れなど首より下の身体部位にも痛みや痺れを起こすこともあります。
首の痛みやこりは大抵の場合数日から数週間で良くなります。もし、痛みが数ヶ月しても続くようでしたら、単純な筋肉や関節だけの問題ではない可能性を秘めているため医療機関の受診が必要になる場合もあります。
首の痛みの強さ
首の痛みは軽いものから服を着たりなどの、日常生活に支障をきたすほどのものまで様々です。また、首の痛みが長引くとそれが原因で首や方が緊張しやすくなり、首こり・肩こりなども誘発します。
首の痛みが続き期間によって次のように痛みを区別することができます。
・急性痛(寝違えなど):4週間以内には痛みがおさまります。
・亜急性痛:長くても3ヶ月以内には痛みがおさまります。
・慢性痛:3ヶ月以上続く痛みは慢性痛と定義されます。
首の痛み方は様々で1箇所が鋭く痛みが出たり、肩や背中まで広がるほど広範囲に感じることもあります。また、首の痛みの影響で頭痛が出たり、首や肩のスパズム(痙攣)が起きたりもします。
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頚椎はなぜ痛みが出るのか
頚椎は上が後頭骨の下から始まり7個の椎骨によって形成され、靭帯や筋肉、腱などによって支えられています。最も多い首の痛みを起こす原因はこれらの軟部組織が使い過ぎなどにより、損傷を起こすことです。筋肉などの軟部組織の損傷の場合は痛みが強いことも多いですが、大抵の場合1〜2週間の間に回復します。頚椎の動きは1番を除いて主に回旋の動きであり、下記のような構造をしています。
・椎間関節によって上下の椎骨は連結し、屈曲、伸展、回旋などの動きを可能にしている。
・椎体間には椎間板が存在し、荷重を支える役割を行っている。
・脊髄神経から伸びた神経根が椎間孔と呼ばれる穴から出て、肩や腕の方向へ神経を伸ばしている。
何らかの原因により神経根や脊髄神経が影響を受けると、首に強い痛みや神経症状が出たりします。よくある例では頚椎にある椎間板が神経を圧迫したり、関節に骨棘呼ばれるものが作られ神経に障害を起こすケースです。
首の痛みの症状
首の痛みの度合いは人によって様々で、少し痛みを感じる程度の人から、痛みが強いために動けないという人もいます。大抵の首の痛みは特定の場所だけに痛みがあり、数日で改善していきますが、中には、痛みが数週間経っても変わらず肩や腕の方まで痛みが広がる場合もあります。よくある首の痛みの症状は以下のようなものになります。
・首こり:痛みや首の動かしずらさ特徴です。
・鋭い痛み:この痛みは1箇所に限局した痛みを感じ、鋭く刺すような痛み方です。特に下部の頚椎に起こりやすいです。
・重だるさ:痛みというよりは不快感の方が強く、広範囲に感じるのが特徴です。
・放散痛:鋭い神経痛の痛み方で、首だけではなく、肩や腕の方まで感じるのが特徴です。
・神経根症:神経根の圧迫により痛みだけではなく、腱反射や皮膚感覚の異常、筋肉の弱化なども伴うのが特徴です。
・握力の低下:主に運動神経に影響が出ることで、腕の筋肉がうまく働かなくなるために起こります。
・頭痛:首周りの筋肉や神経が影響を受けることで頭痛が出ることもあります。「頭痛の原因と対処法についてはコチラ」
首の症状が強くなると、睡眠・洋服の着替えなどの日常生活にも影響を及ぼすことも多くあります。
首の痛み始めの特徴
首の痛み始めは以下のような特徴があります。
・ゆっくり痛みが進行する:最初は夕方などに首の痛みを感じる程度だったのが、時間の経過とともに痛み方が強くなっていくこと。
・外傷後からの痛み:交通事故など強い衝撃を首に受けてから強い痛みを感じるようになった。
・予兆もなく首の痛みが始まる:特に思い当たることもなく首が痛くなり始める。
首の痛みは一日中痛むこともあれば、時をり強い痛みが出たりなど様々です。また、くしゃみ、咳などをすると痛みが強くなる傾向があります。
医療機関に行く必要がある首の痛み
ほとんどの首の痛みは数週間もすれば回復しますが、中には医療機関でのケアが必要になるケースもあります。もし数ヶ月間変わらない首の痛みで日常生活にも影響が出るようでしたら、早急に医療機関に行くことが必要となります。なぜなら首の痛みの原因に重大な病気が隠されている可能性があるからです。以下のような症状がある場合は要注意です。
・両側に出る肩や腕の痺れ、皮膚感覚の異常、腕の力が入らない感覚。
・立っている時フラつきがある。
・排便、排尿障害
・急激な体重減少
・高熱を伴った首の痛み
・強い頭痛
首の痛みが起こる原因(急性痛)
首の痛みで多く見られる原因は筋肉や腱、靭帯などの損傷による痛みです。急性の痛みは数日から数週間で回復するものがほとんどです。損傷を起こす原因としては以下のようなものが挙げられます。
・不良姿勢:長時間首を前に突き出した姿勢でのデスクワーク姿勢や、スマホの長時間利用(スマホ首)などを行なっていると、首への負担が強くなり痛みが出ます。
・寝てる時の姿勢:寝ている時の姿勢が悪いと、起床時などに寝違えなどの強い痛みが出ることがあります。
・同じ動作の繰り返しによる痛み:水泳やダンスなどのスポーツで首を何度も同じ方向に激しく動かした時。
・外傷:交通事故などで強い衝撃によりむち打ちなどになること。
時折、損傷が筋肉などの軟部組織にとどまらず頚椎などに及んでしまう場合、痛みが強くなる傾向があります。
首の痛みが起こる原因(慢性痛)
もし首の痛みが数ヶ月間繰り返し起こるようでしたら、頚椎の椎間板や椎間関節のすり減りや摩耗によって起こっっている可能性があります。その場合は以下のようなことが考えられます。
・頚椎椎間関節変性:加齢とともに椎間板の水分は徐々に失われることで、重さへのクッション作用が効かなくなることで痛みが起こります。それが進行し椎間板の変性が強くなっていくと、頚椎椎間板ヘルニアや頚椎神経根障害などを引き起こします。
・頚椎骨関節炎:椎間関節の軟骨がすり減ることで、頚椎骨関節炎となり痛みが出ます。
・頚椎椎間板ヘルニア:椎間板の外側にある繊維輪が切れ目が入ることで、内側にある髄核が飛び出し神経根などを圧迫し痛みが出ます。
椎間板、椎間関節の退行性変化が起こると、神経根が出入りする椎間孔や脊髄神経に影響を出すこともあります。影響が出ると痺れや皮膚の感覚異常、筋肉の弱化なども起こります。
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