左の腰にだけ感じる痛みの概要
腰痛は時に左右どちらかにだけ感じるものから、コンスタントに痛みがあるもの、痛み波があるものなど人によって腰痛は様々です。もしあなたが左側だけに感じる腰痛は時に、刺すような強い痛みのこともあれば、重だるい感じが常にある痛み、身体を動かすと悪化するケースもあれば、楽になるケースもあるなど様々です。
左側に感じる腰痛の主な原因
基本的な左側に感じる腰痛の原因は、大きく次の2種類が考えられます。
・背骨を支える筋肉や、靭帯、関節の損傷が影響して起こる痛み。
・腎臓、生殖器、前立腺などの臓器に問題があり、腰痛を引き起こしているケース。
ほとんどの場合は腰部周辺の筋肉や靭帯などを損傷して起こる痛みであり、その場合は痛みが数日から数週間の間続き徐々に治ります。腹部に存在する内臓器が原因となり腰痛が起こっている場合であり、その場合は痛みが数日から数週間で収まることはなく、夜間痛があるなども特徴の一つです。
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病院に受診するタイミング
腰痛が痛み止めや、運動療法、カイロプラクティック・整体などの徒手療法で改善する場合、病院を受診する必要性は低いと言えます。交通事故などの外傷に伴う腰痛や、数週間経っても痛みが改善せず悪化するもの、日常生活が以前のように出来ないなどの状態であれば、早急な病院の受診は必要となります。
以下に説明する症状がある場合は病院の受診が勧められます。
・休んでも痛みが変わらない、または強くなる場合。
・強い腹痛も伴う腰痛。
・目眩や意識障害、呼吸の苦しさを感じる。
・高熱や寒気を感じる。
・気持ち悪さや吐き気がある。
・排尿痛や血尿
・下肢の筋力弱化、強い痺れ
・急激な体重減少
上記の症状を感じている場合は、筋骨格系の問題ではなく、内臓器の疾患など背後に大きな病気が関わっている可能性があるため、早期の病院への受診が必要です。
筋肉の損傷による左腰の腰痛
左腰の筋肉の損傷は腰痛の原因で一番多くみられるケースです。スポーツなどによる筋肉の使いすぎや外傷、長時間の立位や座位、睡眠時の不良姿勢に伴う筋肉の損傷などが主な原因です。
筋肉の損傷による痛みの特徴は以下のようなものになります。
・左腰に限局した痛み
・痛みの質が鋭く刺すようなと表現できる
・身体を動かすと痛みを感じやすい
・押圧されると痛みがある
・筋肉の痙攣(スパズム)が起こっている
・休んでいる時は痛みが減少する
左腰に起こる腰痛は椎間関節の機能障害や椎間板の問題によっても起こります。基本的には痛み止めや休息、カイロプラクティック・整体などの徒手療法にてケアを行うと、4〜6週間の間に痛みが落ち着いてくるケースがほとんどです。もしそれでも痛みが変化しなかったり、悪化するようでしたら、早急な医療機関の受診をお勧めします。
脊柱の問題による左腰の腰痛
椎体、椎間板、椎間関節などの損傷や機能障害によっても左腰の痛みは起こります。以下がその主な原因になります。
・腰椎椎間板ヘルニア:腰椎椎間板の左側がヘルニアを起こすことで、重だるい、鋭い、刺すような痛みが左腰から左足にかけて起こります。ヘルニアの場合は左腰の痛みよりも、左足の痛みや痺れが強く感じやすく、長時間座っていると痛みが増加しやすいのも特徴です。似たような症状に腰椎椎間板変性がありますが、椎間板変性の場合は片側よりも両側に感じることが多いです。『腰椎椎間板ヘルニアに関してはコチラ』
・椎間関節機能障害:加齢に伴い椎間関節が摩耗することで、関節の固さや不快感、重だるい痛みを感じるようになります。また変性した椎間関節が骨棘を形成すると、神経根を圧迫することがあり、その結果左足に痺れなどを感じるケースもあります。
・仙腸関節機能障害:仙腸関節の動きが制限を受けることで、片側もしくは両側に腰痛を起こすことがあります。反対に仙腸関節が通常よりも動きすぎてしまう場合も腰痛や場合によっては臀部や足にかけて鋭い痛みが出ることもあります。『仙腸関節機能障害についてはコチラ』
上記の症状の場合、カイロプラクティック・整体などの徒手療法や、痛み止めの薬など保存療法が最初の選択肢なります。それらを試してみても、効果がない場合や痛みが悪化していく場合は、手術の選択肢も考えられます。
内臓器の問題による左腰の腰痛
腎臓や大腸など内臓器に問題がある場合でも左腰の腰痛は起こります。以下がその主な原因となります。
・腎結石:左側の腎臓にある石が動いたり、尿管に移動したりする際に強い痛みを腰に感じます。強い痛み以外にも排尿障害や血尿も伴うことがあります。
・腎盂炎:左側の腎臓が炎症を起こすことで、左腰の強い腰痛が起こります。多くの場合尿管や膀胱が炎症を起こした結果、腎臓にも細菌が広がることで腎盂炎となります。また腰痛以外にも吐き気や排尿痛なども起こります。痛みの場所は左腰椎近くで、動くと痛みが強くなります。
・婦人科系疾患:子宮筋腫と子宮内膜症によるものとりわけ多く、左腰の腰痛を引き起こします。子宮内膜症の痛みは通常、散発的に鋭く強い痛みが起こります。腹痛や疲労感も特徴的な症状です。
・潰瘍性大腸炎:大腸が慢性的に炎症を起こすことで、潰瘍性大腸炎となります。続く下痢や直腸の痛み、体重減少などが特徴です。また腹部の痙攣を起こしやすくなったり、腰や腹部に痛みを感じるようになります。
・膵炎:膵臓が炎症を起こすことで起こります。最初は腹部の痛みから始まり、腰の方へ痛みが広がっていきます。油っこい食事をした後に痛みを感じるのが特徴です。
カイロプラクティック・整体などの徒手療法や、痛み止めを使用しても痛みに変化が見られない場合は、これらの症状が隠されている可能性があります。その場合は早急な医療機関の受診が必要となります。
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