頚椎症性神経根症とは
頚椎症性神経根症とは頚椎にある神経根が損傷や炎症を受けることで、神経機能が障害を起こすことを呼びます。特徴は神経障害、腱反射の異常、筋力の弱化などで、首や肩、腕、手先の方にまで症状が起こります。痛みはの特徴は「チクチクした」や「刺すような」、「焼けるような」と表現されます。
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神経根とは
頚椎の神経根は8つ存在し、脊柱にある椎間孔と呼ばれる小さな穴から抹消の方向へ神経を伸ばしています。抹消へ向かう神経は首から肩や腕、指先の筋肉を動かす運動神経や、皮膚の感覚を司る感覚神経となっていきます。
頚椎症性神経根症を起こす主な原因は頚椎椎間板ヘルニアや、加齢に伴い起こる骨棘などにより神経が炎症や障害を受けるためです。また稀ではありますが、腫瘍などが原因で同様な症状が起こることもあります。「頚椎椎間板ヘルニアについてはコチラ」
神経根に炎症や損傷が起こる正確なメカニズムはまだわかっていませんが、神経根が直接組織に圧迫されるというよりは、炎症に伴う痛みの発痛物質が、神経根に対して影響を出しているというのが現在一般的に考えられている原因になります。
頚椎症性神経根症の特徴
頚椎症性神経根症の割合は男性の方が女性よりも若干多く、脊柱の加齢に伴う変性が要因になることが多いため高齢者、特に50〜54歳が一番多いと言われています。若い方に起こる場合は頚椎椎間板ヘルニアや、外傷によって起こることがほとんどです。症状は最初痛みが出たり出なかったりと間欠的に起こり、痛みが強まる姿勢は首を後ろに反らせた時です。
症状が深刻なものであったら
稀ではありますが、ケアを行っても神経症状が悪化する場合があり、その状態を放置しておくと神経自体が上手に働かなくなり、最悪のケースでは二度と元には戻らないこともあります。もし、今行っているケアでは効果が出ない場合は手術も考慮しなければいけません。
頚椎症性神経根症の原因
どのような形であれ神経根が圧迫や障害を受けると神経症状はでます。神経根症が起こる大きな要因としては加齢に伴う脊柱の退行性変化でありますが、急性の外傷などによっても起こることがあります。以下の二つが神経根症を起こす主要な原因となります。
・頚椎椎間孔狭窄:椎間孔が狭くなることで神経根が通るスペースが狭くなり、神経を圧迫や障害します。要因としては頚椎椎間板変性などの結果、骨棘の形成、靭帯の肥厚、椎間板の突出などが挙げられます。椎間孔狭窄は頚椎性神経根症で一番多くある原因です。
・頚椎椎間板ヘルニア:椎間内にある髄核が外側を取り囲む繊維輪を圧迫や突き破ることで、近くにある神経根に対して圧迫や障害を引き起こします。椎間板ヘルニア要因の多くは外傷や激しい運動の結果です。頚椎症性神経根症が若い人にも起こる理由は椎間板ヘルニアによって症状が起こるためです。「頚椎椎間板ヘルニアに関してはコチラ」
頚椎症性神経根症のリスク要因
神経根症を引き起こしやすくなるリスク要因は以下のようなものが挙げられます。
・年齢:40〜50代の人が神経根症のリスクが一番高いと言われています。
・コンタクトスポーツ:ラグビーやレスリングなど頚椎に対して強い衝撃が加わるスポーツはリスクが高くなります。
この他にも喫煙なども頚椎神経根症のリスク要因と言われています。
症状の感じ方
頚椎症性神経根症の症状は神経根の障害が起こっているエリアでの、刺すようなチクチクとした痺れや筋力の弱化などがあります。それに加えて痛みを同時に起こることが一般的です。これらの症状は首や肩など1箇所に現れることもあれば、症状の進行具合により腕全体に広がることもあり、基本的には片側にだけ起こります。症状が強く出る場合は指先の方まで痺れや、手先でものを掴むことが困難になったりします。
神経根から見る症状
頚椎症性神経根症の症状はどの神経根が影響を受けているかによって変わり、そのパターンある程度決まっています。以下に記入したものがそのパターンです。
・頚椎5番の神経根:痛みや痺れが首から肩の周辺にかけて起こります。また肩周辺の筋肉の弱化も見られます。
・頚椎6番の神経根:痛みや痺れが腕の親指側と人差し指に出ます。また上腕二頭筋や手首の筋肉が使いづらいくなります。
・頚椎7番の神経根:痛みや痺れが手のひらから中指にかけて出ます。また腕の後面である上腕三頭筋や指の伸筋群に筋力の弱化が見られます。
・頚椎8番の神経根:痛みや痺れが腕の小指側に出ます。また指の屈筋群に筋力の弱化が見られます。
稀でありますが、頚椎性神経根症が頚椎4番よりも上で起こることや、多椎間の神経根が一度に影響を出すこともあります。
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