急性の腰痛と首の痛み
ほとんどの腰痛や首の痛みは2週間から6週間以内に回復し、それらは急性痛(ぎっくり腰や寝違え)と考えられます。急性腰痛・頸部痛の一番の原因となるものは筋肉が伸ばされすぎたり断裂することでのの損傷です。例えば、重いものを持ち上げたり、繰り返し特定の筋肉に負担がかかることで筋肉の損傷が起こるなどが挙げられます。筋肉の怪我と聞くとあまり重症ではない様に聞こえますが、炎症が強かったり度合いによっては強い痛みを引き起こします。ただし筋肉の損傷の場合、アイスorホットパックやカイロプラクティックなどの徒手療法、自宅でのセルフストレッチなどを適切に行えば、6週間以内には回復することがほとんどです。
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慢性腰痛の原因
根本的な背骨の解剖学・構造学的な変化を伴う状態の場合慢性腰痛に以降しやすくなります。その代表的な原因は腰痛椎間板の変性です。椎間板は椎体と椎体の間でクッションの役割をしている繊維性の組織です。椎間板が痛みを出す様になる状態として代表的なものは以下のもになります。
・腰椎椎間板ヘルニア:椎間板とは背骨の一つ一つの椎体の間にある組織であり、水分を多く含んでいることもありゲル状で非常に柔らかい組織です。柔らかい組織が主に後方に飛び出して神経根を圧迫して腰や下肢に対して痛み・痺れを引き起こす状態のことを言います。
・腰椎椎間板の変性:加齢とともに腰椎椎間板がすり減り、その過程で椎間板の役割徐々に失われ慢性つにつながっていきます。多くの場合痛みは数日で収まり、それが年月をかけて繰り返されることで椎間板の変性が進んでいきます。
・脊椎関節炎:脊椎関節炎は椎間関節が重いものを持ち上げたり、反復動作の繰り返しによりすり減ることで起こります。関節同士の摩擦によって神経が刺激され、坐骨神経痛などの症状を引き起こします。そのほかの症状としては関節周りの筋肉などの組織の硬さが挙げられます。脊椎関節炎の多くは60歳以上の方で見られます。
・仙腸関節機能障害:仙腸関節は両側の腸骨と仙骨が重なる場所の関節になります。仙腸関節が動きすぎたり、動かなすぎたりすることで、お尻周りや骨盤、腰椎に痛みを引き起こします。
・腰椎分離症・分離すべり症:椎弓の骨折によって椎体が前方に滑ってしまうことで、椎体間剪断力が発生し痛みなどを引き起こします。症状としては、腰痛、腰の張り、下肢の痺れ、筋力の低下などがあります。
・脊柱管狭窄症:脊柱管狭窄とは、背骨のの中を通っている神経組織(馬尾、神経根)と周囲組織(骨あるいは筋肉などの南部組織)との関係が何らかの理由で崩れ、神経症状が引き起こされている状態のことです。いくつかの原因が考えられますが、多くの場合神経組織に対し周囲の骨や筋肉などによる機械的な圧迫が原因となります。
生活スタイルが腰痛の原因となるケースもあります。例えば、長時間で同じ姿勢や、急に重いものを持ち上げるなどすることで腰椎に過剰な負荷がかかり発症します。また、喫煙、高齢化、肥満なども腰痛の要素に挙げられます。
慢性の首の痛みの原因
慢性の首の痛みのほとんどは椎間板や椎間関節の構造的な不具合が原因で起こり、加齢に伴って摩耗するというのが一般的です。頚椎の状態は首だけに限らず、頭や肩、腕の状態に大きく影響します。慢性の首の痛みとして多いのは以下のような症状が考えられます。
・頚椎関節炎:関節炎は椎間関節が過度に摩耗することで起き、首の痛み、硬さを引き起こします。それに加えて、頚椎関節炎は骨棘の形成を促しそれが原因となり、頭痛や腕、手への神経痛を引き起こすこともあります。
・頚椎椎間板変性:慢性の首の痛みは椎間板の退行性変化や関節の摩耗によって起こります。頚椎椎間板変性は一般的に下部の頚椎に痛みを起こし、時々強い痛みや不安定さを繰り返しながら進行していきます。
・頚椎椎間板ヘルニア:椎間板が膨張し裂け目が入ると、その周りにある関節や筋肉、そして神経に炎症を引き起こします。頚椎椎間板ヘルニアは多くのケースで肩や腕に痺れを引き起こす一方で、首の痛みや硬さは比較的楽なケースが多いです。
・頚椎椎間孔狭窄:頚椎椎間孔狭窄とは背骨の椎間孔と呼ばれる神経根が通る穴が、ヘルニアや骨棘などによって狭くなり神経を阻害する事で、腕や肩の痛みや痺れ引き起こし、場合によっては腕の筋力低下や知覚異常を引き起こす状態です。
・脊髄症(ミエロパチー)を伴う脊椎狭窄:ヘルニアや骨棘などによって、脊髄自体が直接障害を受けると、脊髄症(ミエロパチー)と呼ばれる全身の神経障害を起こします。ミエロパチーの典型的な症状は、神経系が影響を受けることに伴う全身運動機能の低下(歩行困難や杖の使用など)、肩や腕、手などへの鋭い痛みです。
首の痛みを引き起こす要因としては不良姿勢が挙げられます。現代人はデスクワークやスマホを長時間使用することが多く、それによって首が前に出て、肩が丸まってしまういわゆるストレートネックになりやすい傾向があります。初めのうちは首こりだけだったものが、それが長期間に渡ることで痛みに変化し、最悪の場合上で書いたような症状の原因となります。また不良姿勢に加えて、睡眠時の姿勢や仕事で首を曲げたり反らしたりする人、喫煙者も首の痛みの原因となります。
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