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神経根性と椎間板変性による腰痛とは?
椎間板の問題で腰痛が起こっていた時、痛みの原因は膨隆した椎間板による神経根の圧迫か、椎間板自体の問題が考えられます。専門家でもこの2つ状態を正しく見分けることは難しく、説明する際に「神経根の圧迫」「椎間板ヘルニア」「椎間板変性」などさまざまな表現を使います。
そこで今回のブログでは神経根の圧迫と椎間板の変性では実際にどのようなことが起こっているのかを説明したいと思います。
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神経根の痛みとは
椎間板により近くの神経根が圧迫や障害、炎症を起こす場合、痛みを感じるのは椎間板ではなく、椎間板によって障害を受けた神経が痛みを発します。腰椎の神経根による痛みは神経の走行にしたがって、太ももや足先にまで痛みが出ます。また痺れや筋力の弱化、刺すような痛みなど神経障害も同時に起こる可能性があります。
このようなタイプの痛みを「神経根症」と呼ばれ、特に腰椎の4番から仙椎の3番の神経根が圧迫や障害を受けることを坐骨神経痛と呼びます。神経根症を起こす要因としては以下のようなものが考えられます。
・椎間板ヘルニア 『腰椎椎間板ヘルニアについてはコチラ』
・脊柱管狭窄症 『腰部脊柱管狭窄症についてはコチラ』
・変形性関節症による骨棘の形成
稀ではありますが、腫瘍や髄膜炎、脊椎すべり症でも神経根症が出ることもあります。
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椎間板変性による痛みとは
椎間板の変性による痛みの場合、次のような理由で椎間自体がすり減り摩耗することで痛みが出ます。
・炎症:椎間板の変性やそれによりヘルニアが進むと、椎間板から炎症を引き起こすタンパク質が椎間板腔や、椎間板の外に放たれるため痛みが出ます。この炎症物質が近くにある神経に影響を出すことで痛みが出ます。椎間板ヘルニアに関しては神経根の所でも述べたように、直接圧迫や障害の原因にもなります。
・縮小:椎間板の変性により内部の水分が少なくなり、椎間板自体が小さくなります。椎間板が縮小することで脊柱管自体が狭くなり、神経根症を引き起こします。
・柔軟性と安定性の欠如:椎間板の変性は脊柱全体の柔軟性と安定性を奪い、痛みが出やすくなります。
炎症に対する反応から、不安定性、痛み、筋肉のスパズム(痙攣)が起こり、腰の鋭い痛みが強くなります。椎間板変性の痛みは局所的または足の方に神経根症が起こります。
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痛みの原因を突き止める重要さ
痛みを和らげることだけでなく、痛みの本当の原因を突き止めることで、腰痛の根本的な改善や予防を目的とした施術計画が作ることができます。長引く腰痛でお困りでしたら一度当院にご連絡ください。
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