ビタミンについて

ビタミンとは

 

 ビタミンは食べ物の中に少量存在する有機物で、糖質や脂質、タンパク質とは違いエネルギー源にはならないが、物質が代謝する過程で触媒として作用し、身体の正常に働かせるために不可欠なモノです。その性質から三大栄養素を助ける潤滑油のような働きをしているとも言え、不足すると様々な症状を引き起こします。

 

 水に溶けやすい水溶性のビタミンは体内に蓄積することができないため、日々摂取することが必要となります。反対に水に溶けにくい脂溶性のビタミンは、体内に蓄積が可能なため、摂取のし過ぎにより障害を起こすことがあります。

水溶性ビタミン

 

 水溶性ビタミンは必要な分だけ血中に溶け込み、余分なものは尿などで排出されるため、体内で余剰になることはほぼないと考えられています。水溶性ビタミンには以下のようなものがあります。

 

・ビタミンB1:豚肉や米の胚芽などに多く含まれています。摂取不足で、脚気・神経炎・筋力低下などを起こします。

 

・ビタミンB2:レバー、乳製品に多く含まれています。不足すると皮膚炎や口角炎の症状を引き起こします。

 

・ビタミンB6:米糠やレバーに多く含まれています。不足すると皮膚炎などを引き起こします。

 

・ビタミンB12:動物性食品に多く含まれており、赤血球の新生にも必要となります。不足すると貧血を引き起こします。「貧血についてはコチラ

 

・ナイアシン:レバー、肉、穀類に多く含まれています。不足するとペラグラという皮膚炎を伴う神経系の機能障害が起こります。

 

・葉酸:緑野菜に多く含まれます。作用はB12と同じです。

 

・ビタミンC:果物、特に柑橘類や緑茶、野菜などに含まれています。不足すると血管壁が破れやすくなる壊血病になります。

脂溶性ビタミン

 

 脂溶性ビタミンは水に溶けない性質があり、主に脂肪や肝臓に貯蔵されています。そのため取りすぎると過剰症を引き起こすことがあります。使用性ビタミンには以下のようなものがあります。

 

・ビタミンA:レバーやウナギなどに多く含まれています。摂取不足により夜盲症や粘膜障害を生じ、過剰摂取により小児の骨異常などを引き起こします。

 

・ビタミンD:レバーやイワシ、カツオなどに多く含まれています。食品からの直接取れるほかに、日光の照射により皮膚で合成することが可能です。摂取不足により小児ではくる病、成人では骨軟化症を生じ、過剰摂取により腎障害を引き起こします。

 

・ビタミンE:種実類や植物油などに多く含まれ、抗酸化作用があります。

 

・ビタミンK:納豆などに多く含まれるほか、腸内細菌によっても作られます。血液凝固に必要で、新生児では腸内細菌が未発達のため、ビタミンK欠乏によって頭蓋内や腸管内に出血を生じやすくなります。