僧帽筋について

僧帽筋について

 

 僧帽筋は背中にある大きな筋肉で、首の根本から肩、背中の半分ぐらいに広がっています。僧帽筋という名前の由来はひし形の形をしたこの筋肉が、教会の修道士がかぶる長頭巾に形が似ていることが由来になります。

 

 僧帽筋は主に姿勢やその動きに大きな役割があります。僧帽筋の働きによって、頭を上下左右に動かしたり、肩をすくめる、姿勢を保つなどが可能となっています。また僧帽筋は肩甲骨の動きにも関与し、バンザイの姿勢をとったり、物を投げたりといったことが可能となります。

 

 僧帽筋の損傷や怪我は筋肉を過度に伸張してしまった時に頻繁に起こり、最悪の場合筋断裂になることもあります。怪我を予防するためには運動前には入念なストレッチなどを行うことが必要となります。

僧帽筋の役割とは?

 

 僧帽筋は身体の動きや姿勢の維持に大きく関わっています。カイロプラクター・整体師など身体の専門家は、僧帽筋を3つの部分に分けて筋肉の評価を行います。それぞれの部分が別々の働きをすることもあれば、頭を上下に動かす時など共同して働くこともあります。それぞれの部分の働きは以下のようになります。

 

・上部僧帽筋:僧帽筋の中では最も小さい部分であり、首の付け根から肩の方向に付着しています。筋の作用は腕を上げることや頭を左右に回すこと、肩をすぼめることなどに働きます。

 

・中部僧帽筋:上部僧帽筋の下側に存在し、肩全体を覆っています。筋の作用は肩や腕を後ろに引く時に働きます。

 

・下部僧帽筋:肩から始まりアルファベットのV字の形をして背中の中央付近に付着します。筋の作用は肩を下方に下げることや姿勢の安定に働きます。

僧帽筋に関わる怪我

 

・筋の損傷:事故や筋の使いすぎなどにより僧帽筋が過剰に引き伸ばされることで起こります。筋肉は必要以上に引き伸ばされると反射的に縮まるため、その結果筋肉が痙攣を起こします。僧帽筋を含め背中にある筋肉が痙攣を起こすと、腰痛の原因ともなります。

 

・神経の損傷:僧帽筋を支配する神経が損傷すると、筋肉自体が本来の働きを行うことができなくなります。

 

・筋の硬さや痛み:背中を丸めた姿勢で長時間座るなど、不良姿勢が主に起因して筋肉が余計な緊張を起こすようになります。現代人はデスクワークをしている人の数が圧倒的に多いため、僧帽筋が関与した慢性痛を発症している人が多くいます。また、緊張が強くなり、神経に対しても影響を及ぼすと頭痛なども発症することがあります。『頭痛の原因と対処法についてはコチラ

症状

 

 僧帽筋に何らかの問題が起こっている時には以下のような症状を感じます。

 

・可動性の減少、筋力の弱化(肩をすくめたり、腕を上にあげたりすることが難しくなります。)

・首や肩のこりや痛み

・肩甲間部の痛み

・腫脹やあざ、痛みに対しての敏感性が高くなる

・僧帽筋自体の痛み

予防方法

 

 僧帽筋の働きを保ち、痛みを予防するためには以下のような方法があります。

 

・運動療法やストレッチにより、柔軟性を維持する

・適切な体重を維持する

・運動前後での準備体操をしっかりと行う