肘関節部について

肘関節部とは?

 

 肘関節部は野球やテニスなどのスポーツを行なっている人に問題が起こりやすい場所であり、主な原因は使いすぎによる痛みや痺れです。今回のブログでは肘関節部の特徴や構造についてご説明いたします。

肘関節の内側面

尺骨神経

 

 尺骨神経は頚椎から出る腕神経叢の内側神経束の枝であり、肘の内側上顆と肘頭窩の間にある溝を通過します。日常では肘の内側をぶつけた時に電気が走るのは、この神経が刺激を受けるためです。『尺骨神経についてはコチラ

 

 臨床上は尺骨神経が通過する溝の部分を触り、神経に強い圧痛がないかや、神経が太くなっていないかを確認します。

内側上顆と付着する腱

 

 内側上顆は肘にある骨の隆起した部分であり、手関節屈筋群や前腕の回内筋群が付着している場所です。これらの筋群は、円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋と尺側手根屈筋により構成され、手首に向かうにつれ腱組織になって行きます。

 

 臨床上では肘を90度曲げることで触ることができ、圧痛や炎症反応などが見られないかを確認します。圧痛や炎症反応が見られる場合は腱の損傷か内側上顆炎の可能性があります。

尺側側副靭帯

 

 尺側側副靭帯は、内側上顆から尺骨滑車切痕の内側に付着し、肘の安定性を作っています。臨床上、尺側側副靭帯は触れることができませんが、肘の内側に圧痛がある場合は靭帯が影響している可能性もあります。

外側部

外側上顆と手関節伸筋腱群

 

 外側上顆は肘の外側にある骨の隆起した部分であり、手関節伸筋群が付着している場所です。これらの筋群は、長・短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋、総指伸筋などにより構成され、手首に向かうにつれ腱組織になって行きます。

 

 臨床上では肘を90度曲げた状態で、外側上顆とその上縁に触れることが出来るため、圧痛や炎症反応などが見られないかを確認します。反応が見られる場合は上腕外側上顆炎か、あるいは手関節伸筋の腱の損傷が考えられます。

橈側側副靭帯と輪状靭帯

 

 橈側側副靭帯は厚い組織で、外側上顆から輪状靭帯及び尺骨外側縁に付着しています。輪状靭帯は橈骨頭を取り囲んでいます。

 

 臨床上では示指と中指で外側上顆と輪状靭帯の橈側側副靭帯を触れることができます。圧痛があれば靭帯損傷の可能性があります。